目的から考えて行う指導

query_builder 2024/01/12
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 前回、点とは教える事。線とは教育する事とであるという提案しました。今回は解りやすく図にイメージをしてみました。左の図が点の教える事をイメージしたものです。指導者は選手の方向を見ていますが選手は全て横並びで同じ方向を見ています。選手はA~J、それに「ケ」と「える」という選手がいます。これは間違いでもふざけているわけでもありません。

 右の図が線での指導のイメージです。指導者は360度の全ての方向を見ています。このイメージは選手個々の特性を指導者が把握しそれぞれに合った指導を行っていることをイメージしたものです。点線で囲まれている範囲は指導者が理解できる範囲内を表し点線外の選手「ケ」と「える」は良くも悪くも指導者の理解の範疇を超えている選手という意味です。


 左の図で考えた時は指導者と相性の良い選手は結果を残すと思いますが相性の悪い選手は思う様な結果を残すことができない可能性があります。選手の立場で言えば指導者に合わせて練習を行うことになるでしょう。そして選手「ケ」と「える」はチーム内で浮いた存在になります。

 一方右側の指導者は全方向360度選手の特性を観ています。選手Aと選手Dでは全く違った特性を持っているので同じ様な指導では双方を成長させることはできません。そこで指導者は選手の特性に合わせた指導を行うことになりますが全体での指導の際にこの方法を行うことは危険な状況になる場合があります。 

 具体的に言うとAは楽観的であり積極的です。このタイプの良い点は行動力ですが経験が少ない時にはケアレスミスを多く起こすと予想されます。そこで指導は「慎重によく考えて行動しろ」になります。一方Dは慎重であり悲観的な性格なため動きが慎重になり遅いと思います。その分無駄な失敗は起こしませんが,動かないことで好機を逃すことも有ります。当然アドバイスは全く逆になります。この時に第三者から見る指導者の選手に対する指導が偏った指導と受け止められてしまう可能性を残します。言葉の二アンスにもよりますが、Aは禁止(must)の二アンスで、Dは背中を押す(let'sやshall)の二アンスと取られ指導に公平性を欠いているのではないかという誤解が生じる心配も有ります。この状況を上手に良い方向でイメージさせる技術を持っている指導者は優秀な指導者です。

 上の図では指導者は全方向の選手を意識していますが全ての選手を管理するのは難しく、また管理しているだけでは線の指導のままと考えるべきです。そこで中心に目的を持ってきます。指導者は自分たちがチームとしてどの様な目的に向かっているのかを認識させたうえで選手個々が目的を達成するための自分に合った方法を考えさせます。当然その方法はチームに取って有益でなければなりません。指導者は選手が考えるヒントとなる課題を与え選手は課題を解決するための行動を起こします。それによって選手個々の能力が上がりチームの戦力が上がることとなります。この方法が有効であるのは指導者の理解を超えている選手「ケ」や「える」にも活用できる点です。指導者の理解を超えている選手は時として指導者の視野を広げ指導の引き出しを増やすことにもなるでしょう。


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ベイサイドアスレチッククラブ

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